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原作シリーズの原点『粗忽長屋』

深夜。

男の目の前には一体の死体が転がっている。
その胸にはエビが一突き……どうやら即死だったらしい。

死体を脇目に家路を急ぐ。女たちはおいそれと男を帰しはしない。
何しろ、エビの刺さったそれがまだ息を吐いては吸っていた時分に名乗っていた名前こそが、急ぐ男を家で待つ「熊五郎」だからだ。

恐るべき量の、ダジャレかあるいは呪文のような屁理屈を並べ立てる女たちを向こうに回し、果たして男は家に帰れるのかー。

上演前には、玉子亭掛御飯による原作の落語「粗忽長屋」(上方版)の口演もございます。(ステージ限定)
 

※ コメディです。
この作品は、開演後に玉子亭掛御飯による落語「粗忽長屋」の口演(上方版)のあと、5分程度の場面転換のうえで、演劇作品「粗忽長屋」(完全版)を上演いたします。場面転換の後、速やかに演劇を上演しますため、途中退場は原則としてできませんのでご了承ください。上演時間は、落語を含めて90分程度を予定しています。
なお、7/20(土)14時の回のみ、落語のかわりに「永榮紘実の『粗忽長屋』そうだったのか!!」を上演します。

 

Facebookでイベントページを作成しています。ディスカッションで、演出日記を記すことにしましたので、Facebookアカウントをお持ちの方で興味のある方がいれば、ご覧いただければ幸いです。
ナントカ世代「粗忽長屋」Facebookイベントページ

チラシ

 

原作

古典落語「粗忽長屋」

脚本・演出

北島 淳

出演

延命 聡子
土肥 希理子
勝二 繁
松野 香澄

延命聡子
土肥希理子
勝二繁
松野香澄


ゲスト・玉子亭掛御飯による落語『粗忽長屋』口演 ※ 7/20(土)14時の回以外

玉子亭 掛御飯 
玉子亭掛御飯
愛卵家。「やみいち行動」「中野劇団」のメンバーとして、様々な公演に役者として参加する一方、桂出丸師匠のもと東梅田落語倶楽部にて落語修行中。京都役者落語の会に所属し、「五丁目寄席」にも出演。「たまごかけ寄席」主宰。


「永榮紘実の『粗忽長屋』そうだったのか!!」 ※ 7/20(土)14時の回のみ

落語初心者の永榮紘実が、古典落語でありながら多様な解釈・実演がなされる『粗忽長屋』について、某人気ジャーナリストよろしく、そのあらましと魅力の一端を、分かりやすくお伝えするよう奮闘します!

永榮 紘実 
玉子亭掛御飯
俳優(今回は演出助手として参加)。過去ナントカ世代に3度出演。理系女子。

日時

2019年7月19日(金)~21日(日)

    • 19日(金)  19:00-(落語あり)
    • 20日(土)  14:00-(落語なし) / 19:00-(落語あり)
    • 21日(日)  14:00-(落語あり)

開場は開演の30分前。開演後のご入場は制限又はお断りする場合があります。

会場

京都市東山青少年活動センター 創造活動室(京都市東山区清水5丁目130番地の6/東山区総合庁舎2階)

全席自由


 
会場には公共交通機関をご利用ください。
●京阪「清水五条」駅から徒歩15分(五条通を東へ、東山五条交差点で東大路通と北へ)
●市バス「清水道」停から下車すぐ(京都駅より市バス206号系統、四条烏丸・河原町より市バス207号系統)
和室

料金

    • 一般  予約 1,500円 / 当日 2,000円
    • 学生・U25  予約 500円 / 当日 1,000円

「学生・U25」は学生または25歳以下の方が対象です。

予約

予約専用フォーム(協力:シバイエンジン

6月8日(土)0時からご予約を受け付けいたします。各回の前日24時(当日0時)までご予約可能です。

【終了】ナントカ世代流「働き方改革」!

クレジットカードによる事前決済に限りおトクにチケットを販売するナントカ世代の「働き方改革」は、7/4(木)を持って受付終了いたしました。お申込ありがとうございました。

参考(初演時の劇評より)

『粗忽長屋』(完全版)は、2007年にナントカ世代が『紙風船』と同時上演した作品『粗忽長屋』をリライトしたものです。参考に、国際演劇評論家協会日本センター(AICT)関西支部が発行する劇評紙「act」(あくと)に寄稿された劇評のうち、『粗忽長屋』に関する部分を引用して掲載いたします。

(略)つまり、どのような文脈(コンテクスト)を持って戯曲を読むか、どのような文脈で舞台構成を考えるか、どのような文脈で役者たちの台詞を求めるか、などが実際の舞台の方向性を強く左右するのではないか。シェイクスピアやチェーホフのように手を変え品を変えて上演される作品があるが、その言葉が作品全体を通して意味合いを変えてしまう、違ってしまうと感じられたのはあまりないことのように思える。そこには演出家を先頭としたひとつの集団が作品に向かう出発点の違いであると同時に、違った文脈が織り込まれることを許容する戯曲であったから、ということもできるのではないだろうか。
さて、二本立てであったからには、『粗忽長屋』の方についても述べておきたい。私は全く落語には明るくないのだが、「そこつ長屋」という古典落語の名くらいは知っていた。そして、テレビドラマの影響でひと頃落語が流行ったこともあって、そのお蔭か、聞いたことはなくても粗筋も知っていた。しかし、上演されたのは演劇であり、口演ではない。ひとりで演じ分けるのではなく、何人かの役者で舞台に載せられるものである。自然、それは翻案というかたちであらわれていた。
大晦日の夜、男が年越し蕎麦の入った紙袋を提げて歩いていると、ベンチに座って編みものをする女がいる。と、その前には俯せになった死体がある。女に呼び止められて男が応えると、女は男をむりやり話を死体の方へ引き込んでゆく。男が、友人が待っているから、とその場を離れようとすると、その死体が友人だ、と女は言い始める。見ても違うしよくわからない、と男が言っても、それがその友人でないとの確証はない、ならば死体が友人だと言えば友人なのだ、というような前提を度外視したおかしな哲学的論証で女は話を終わらそうとしない。行き倒れの死体を長屋の隣の部屋に住んでいる仲間だと勘違いし、生きている仲間に行き倒れを引き取らせようとし、仲間も自分が行き倒れだとしたら自分はだれた、というまぬけ落ちの落語をこのように書き換えている。
結末では、年が明ける前に食べられなかった蕎麦を男と女が一緒に食べることにし、丼の蓋を開けてみると死体から切りとられていた手首が出てくるというホラーが仕組まれているのだが、これは落語にあるブラックな笑いと生者と死者の境界の曖昧さという枠の中でつくられているといえるだろう。
この二本立ての公演は方法が全く違うとはいえ、既成の作品を踏み台にしている。しかし、そこから生まれた舞台は、既成の作品よりも、作品にどのような文脈を持つか、それ以上に演出家自身がどのような文脈を持った人間なのかということを感じさせるものであった。
(演劇評論誌「act」(あくと)季刊no.16「作品を読む文脈 ナントカ世代『紙風船』『粗忽長屋』」より引用。2008年7月発行。編集・発行所/関西演劇評論家協会(AICT)日本センター関西支部)

※初演時の画像

 
 

 

なお、当初は劇評全体の転載をさせていただこうと考え、掲載に当たり、劇評を執筆いただいた方に許諾をいただくため、発行元のAICT関西支部様を通じてコンタクトを図りましたが、連絡が取れませんでしたので、該当箇所のみを引用という形で掲載させていただきます。
もし、著作権者の方から掲載取り止めの申し入れ等がございましたら、削除等の対応をさせていただきますので、あしからずご了承ください。
(著作権者の方でもしこのページをご覧いただいておりましたら、お問い合わせフォームからご連絡をいただけますと幸いです。)

スタッフ

演出・音響:北島 淳
演出助手:永榮 紘実
照明:真田 貴吉
衣装・メイク:たかつかな
スクリプター:外山 華子
制作:作田 京子
製作:蚤の市

 

この事業は、京都市東山青少年活動センター ステージサポートプランによって実施しています。
【6/20追記】この事業は、京都府文化力チャレンジ補助事業です。